東京から大阪まで自転車で走ったときのこと。その3

東京から大阪まで自転車で走ったときのこと。その3

 

5日目。

ネットカフェにて起床。

ここのネットカフェは、タバコの臭いも流れてくるし、空気が乾燥しているしであまり寝られなかった。

ここからまた、のどかな道をひたすら走ることになる。

山、大きな川沿いの道、田畑の広がる道、廃墟の並ぶ地域。

さまざまなところをひたすら走り続けた。

 

大阪近辺の平野部に差し掛かる山を登る頃、

辺りはすっかり暗闇になってしまっていた。

どう頑張っても家にたどり着くのは深夜になってしまう。

 

しかし、しばらくは何もない山が続くし、

大阪に出るまではどうにもならないからひたすら走るしかなかった。

ひたすら走り続け、峠を越えると、大阪の街のとてもキレイな夜景が広がっている場所があった。

峠の名前はわからないが、本当に景色がよかった。

ラブホテルも何軒かあったので、きっとそういう場所なのだろう。

 

かなり長い下り坂だったので、

ブレーキをかけながら坂を下る。

これで帰宅まではもう峠はない。

そして都会に出る安心感。

かなりほっとした。

 

山を下ってコンビニで休憩をし、ひたすら西へ進む。

まさか僕が東京から自転車で走ってきたとは誰も思わないだろう。

荷物も小さなリュックたった一つ。

テントも寝袋も持っていない。

この状態で、よく雨にも降られず寝床にも困らず帰ってくることができたと思う。

ついでに、パンクも一度もなかった。

かなり運がよかったが、若さゆえできたことにも思うので、その後の度はしっかりと備えたものにしている。

 

大阪駅近辺を走り、淀川を超える。

大阪駅周りも、この時間は比較的人が少なく、走りやすい。

普段は人がかなりゴミゴミとしていて、自転車で駅前をさっそうと走るのは危ない。

御堂筋を自転車が走っているのもよく見かけるが、車がすれすれを走っていて、ヒヤヒヤする。

淀川を超えた辺りから、路肩も広くなり、直線の道も増えて一気にはしりやすくなった。

 

兵庫県に入った。

知っている地名がどんどん増えていく。

時間はかかったが、お金は夜行バス片道代程度しかかかっていない。

そして何よりも移動を楽しむことができる。

自転車旅は、歩くよりは早く、車や新幹線よりはゆっくりで、止まりたいと思ったときにすぐ止まることができる。

それがいいところである。

 

ほとんど車の走らない深夜の広々とした道路はキライじゃない。

幹線道路であれば、信号もほとんど赤にならないし、都市部の平坦な道なので軽くペダルを漕ぐだけで高速移動できる。

 

国道2号線をひたすら西へ走り続け、内陸部へ。

ここからはずーっと登り坂が続く。

少ししんどいが、東京からここまでの道のりに比べたら大したことはない。

ラストスパートということで俄然気合いが入る。

 

坂を登り切り、コンビニで少し休憩したあと、

帰宅した。

自転車旅は楽しい。